メニュー 閉じる

副葬品とは?何を棺に入れて良い?棺に入れてはダメなものとは?

副葬品とは?何を棺に入れて良い?棺に入れてはダメなものとは?

投稿日:2021年09月1日

現世から死後の世界へ旅立つ故人。
そんな故人のために現世で好きだったものや思い出のものを一緒に柩へ納めることが出来ます。

故人と共に柩へ納める、この”モノ”のことを『副葬品(ふくそうひん)』と言います。

副葬品は、何でも良い訳ではありません。
「現世で故人がすっごく大切にしていたから」と言っても、断られるものもあります。

この記事では、『副葬品とは何か。入れて良いものと入れてはダメなもの。』について記載します。

副葬品とは

故人と共に柩へ納める”モノ”のこと

現世から死後の世界へ旅立つ故人。
旅立つ故人と共に埋葬する現世で好きだったものや思い出のもののことを『副葬品(ふくそうひん)』と言います。

副葬品の歴史

有史以前より故人と共に様々な品が埋葬されており、今日考古学において発掘される墳墓など埋葬跡からは、当時を忍ばせる様々な遺物が出土しています。
人が生活するうえで必要とされる食品や、生前に使用していた道具、心を和ませる草花など故人に関係のあるものが共に葬られたり、宗教的な価値観から死後世界で必要と考えられるものが副葬品として納められているのです。

日本の仏教では、人は亡くなると冥土の旅に出て49日目に成仏すると考えられています。旅の7日目に現世とあの世を隔てる『三途の川』にたどり着き、この三途の川を渡らないと成仏することができません。三途の川は泳いで渡ることは許されず、舟の渡し賃として六文銭を支払って舟で渡らなければいけないと言われています。
故人が「三途の川を渡り成仏できるように」、「あの世で苦労しないように」との願いを込めて小さな布製の袋『頭蛇袋(ずたぶくろ)』に六文銭を入れて副葬品として故人と共に棺へ納める風習もあります。
現在は「貨幣損傷等取締法」という法律があり、本物の貨幣を棺に納めると法律違反になってしまいます。紙に六文銭が印刷されたもの、おもちゃのお札や「〇〇円」と書かれた紙を棺に納めるという方法がとられるようになりました。

副葬品としてよく棺へ入れられるもの

洋服・帽子・ハンカチ

故人が愛用していたお洋服や帽子・ハンカチなど。
綿や麻や絹などの天然素材で作られたものに限られますが、普段よく着ていた思い入れのある衣類は副葬品としてよく選ばれます。
納棺を終えたご遺体には浴衣や白装束が着せられ、布団が掛けられているため、その上からを納めることになります。
納棺前であれば、死装束の代わりに故人の愛用していた衣服を着せることもできます。ただし、ドライアイスで遺体が冷えていると体が硬直し、袖を通しにくくなるため、早い段階でご相談が必要となります。

手紙・寄せ書き

ご家族や親族様から最後に故人に伝えたい気持ちをしたためたお手紙や寄せ書き、故人が生前から大切にされていた思い出の手紙など。
「あの世にも持っていけるように」と棺に入れられる場合も多いです。
ご家族や親族様以外の人が手紙を納めたいときは、ひとこと喪主の了解を得ておきましょう。

お菓子・タバコ

故人が生前お好きだったお菓子や嗜好品など。
故人が生前にタバコを好んでいたり、闘病中に吸うのを我慢していた場合などはタバコとマッチを棺へ納める方もいます。

毎日の晩酌として嗜んでこられたお酒も副葬品として選ばれることが多いです。ただしお酒は、瓶や缶に入ったものは燃えないため入れることができませんので、紙パック入りのものを選んだり、燃える容器に移して入れましょう。

お花

故人が好んでいた花や育てていた花がある場合は、お花を副葬品として選ぶ方もいます。
現在の日本の葬儀では、菊や洋花などのたくさんの花が祭壇脇に供えられます。出棺の前にはこれらの花を切り取って柩の中に納めることが一般化しています。
お花のお供えは古今東西に渡って行われており、旧石器時代のネアンデルタール人が死者に花を手向けていたという調査報告は有名です。

千羽鶴

故人の闘病中に贈った千羽鶴を副葬品として入れる方もいます。
「鶴は、故人をあの世まで道案内をしてくれる」と古くから言い伝えられており、あの世での幸せを願って亡くなってから千羽鶴を折って入れる方もいらっしゃいます。
ただし、大量の千羽鶴は火葬の妨げになってしまうことから火葬場によっては禁止しているところもありますので、事前にご相談ください。

朱印帳

寺社への参拝時にもらう御朱印を集めた朱印帳などがある場合、朱印帳を副葬品に選ぶ方もいます。
朱印帳は、故人が生前に仏さまを厚く信仰し、功徳を積んでいたことの証です。
仏式の葬儀であればまさに副葬品にふさわしい品です。

写真・似顔絵

故人が趣味を楽しんでいる様子が写っている写真やお孫さんなどが書いた故人の似顔絵など。
また、副葬品として入れられないものをカメラで撮影して写真で納める方もいます。

ただし故人以外の人物が写っている写真や似顔絵を副葬品として入れる場合は注意が必要です。
「火葬をする時点で存命中の人が写っているものを一緒に棺に納めるとその人もあの世に連れて行かれてしまう」という説があり、こうした説を信じている方もいらっしゃるので配慮をしましょう。

副葬品として棺へ入れてダメなもの

杖・釣り竿・ゴルフクラブなど

故人が生前使用していた杖や義肢装具、趣味で愛用していた釣り竿やゴルフクラブなど。
カーボン製品の炭素繊維は綴密構造の炭素のため燃えにくく、火葬炉の緊急停止をまねくおそれがあります。
同時間帯の他の火葬も停止する重大な事故となりかねるため副葬品として柩へ入れることができません。

携帯電話・眼鏡・入れ歯・瓶缶など

眼鏡や結婚指輪など普段から身につけていたものは、故人にとってもとても大切で思い出のものかと思います。
ですが、携帯電話や結婚指輪などの金属製品、眼鏡や酒瓶などのガラス製品、缶飲料やライターなどの爆発する可能性のあるものは、ご遺骨損傷の原因となります。
副葬品として柩の中へ入れて故人と共に火葬することはできませんが、ご遺骨と共に骨壷へ納めることができる可能性もあります。
骨壷へ納めることができるものかどうかは、葬儀担当者へご相談ください。

アルバム・ぬいぐるみ・果物など

故人の思い出がたくさんつまったアルバム写真や好きだった大きいぬいぐるみなど。
厚みのある本類や大きいぬいぐるみ、すいかやメロンなどの大きい果物は、可燃物であっても燃えにくいため火葬時間が長くなってしまったり、燃えたとしても大量に灰が生じる可能性があることから副葬品として棺へ入れてはダメとされています。
小さいサイズの果物を選ぶまたは小さくカットする、アルバムの中から一部だけを切り取るなどすれば副葬品として棺へ入れることができます。

バッグ・靴・ゴルフボールなど

バッグや靴などに使用される革やポリエステル製品、おもちゃやゴルフボールなどに使用されるビニールやプラスチック、ゴム製品などは有害物質が発生する可能性があるため副葬品として棺へ入れることができません。

紙幣・硬貨

日本では「貨幣損傷等取締法」という法律によって貨幣を変形させたり損傷させたりすることは禁じられているため、紙幣や硬貨を副葬品として納めることは違法になります。
三途の川の渡し賃として必要と言われる六文銭を副葬品として入れる風習が以前からありますが、現在は紙に六文銭が印刷されたもの、おもちゃのお札や「〇〇円」と書かれた紙を棺に納めるという方法がとられるようになりました。

申請が必要なもの

心臓ペースメーカー

副葬品ではありませんが、体内に装着されているペースメーカーなどの医療器具は火葬中に何の前触れもなく爆発する恐れがあります。
重大な事故を起こさないように、必ず事前に申請してください。

まとめ

  • 副葬品とは…
    旅立つ故人への手向けの品として、柩に納めて故人とともに火葬する品のこと
  • 副葬品としてよく棺へ入れられるもの
    洋服などの衣類、故人に宛てた手紙、お菓子やタバコなどの嗜好品、お花、千羽鶴、朱印帳、故人の写真・似顔絵
  • 副葬品として棺へ入れてダメなもの
    カーボン製品、金属製品、ガラス製品、革製品、ポリエステル製品、ビニール製品、プラスチック製品、ゴム製品、爆発する可能性のあるもの、厚みのある本類や大きいぬいぐるみや大きい果物など燃えにくいもの、お金
  • 事前に申請が必要なもの
    心臓ペースメーカーなどの医療器具

副葬品について様々なルールや考え方がありますが、基本的には「爆発・破裂・公害を起こす危険性がないか」「ご遺骨を損傷させてしまわないか」「火葬炉の故障の原因にならないか」「火葬時間延長の原因にならないか」を判断基準として故人の冥福を祈るための副葬品を選びましょう。

もしも故人が大切にしていたものや、エンディングノートなどで切望していたものが副葬品として棺に入れられない場合、「火葬炉に入れる直前まで棺の上に置く」「メモリアルコーナーを設置し飾る」「骨壺に入れる」など他の方法で思いを伝えるお手伝いをいたします。
物によっては式場や火葬場、骨壷の大きさの兼ね合いからお断りせざる負えないこともございますが、できる限りの対応をいたしますのでまずはご相談ください。

おもいでのお葬式へのお問い合わせは0120-913-097まで。24時間365日年中無休で対応いたします。

関連記事

おもいでのお葬式へのお問い合わせは0120-913-097まで。24時間365日深夜・早朝でも対応いたします。葬儀の事はおもいでのお葬式にお任せください。
電話相談受付中